金が無いならセンズリで稼げ!⑤
とはいえ山口も東京に出てくるまではセンズリに監禁される価値があるなど夢にも思いませんでした。さすが東京。福岡は所詮地方都市だと悟りました。福岡も利便性の高い都市ではあります。物やサービス、インフラ、という点では、東京で生活するのも福岡で生活するのもそんなには変わらない。でも、明らかな違いもある。それは、
富裕層の数が断然違うということ。そして、さまざまな価値観を持つ人がその「さまざまをオープン」にしていること。この2つの差はあまりにもでかい。
ジムのシャワールームで知り合ったゲイの兄さんが、「マイノリティにとって東京は楽園」と言っていました。それは「他人のことにとやかく干渉しない」という意味なのかと山口が訊ねると、兄さんは
受け入れてくれる人の数が違う。
と答えてくれました。なるほど。東京の人口は圧倒的日本一。母数が多ければ、分子もデカくなるってことですね。あとはそれに当たるか否か。巡り合えるか否かというところでしょうか。
そういえば、東京に出てきた当日、ジムで山口が筋肉を痛めつけていたら、その山口をガン見してきた兄さんがいたんです。で、セットが終わった時、話しかけてきました。
すごいからだしてるね!胸ボン!ケツボン!かっこいい!
結構でかい声で称賛してくれたのです。山口は得意になって、
触ってみますか。
と言ってしまいました。すると兄さんは、すかさず山口の背中側に回り、まるで女の乳を揉むみたいに山口の胸を。
そして、飯行かない?
と耳元でささやいたのです。山口の回答は言うまでもありません。
行きます!
東京で初めて知り合ったゲイ兄さんです。その人も相当なマッチョだったんですけどね、山口は元々体重があったし、小さい頃から逆立ちとかバク転とか側転とかをやりまくっていたこともあって、身体中の筋肉が成長とともにどんどんデカくなっていったという感じでした。
そしてその兄さんに提案されたんです。
良かったらしこってるの見せてくれない?